『挑め!捨身の大決戦』秋田みやび

新ソードワールドRPGリプレイ集(9)
とっくに読み終えてはいたんですが。まあ、別にいいじゃないですか。
もはやリプレイのパーティとしては、バブリーズ、スチャラカ冒険隊を追い抜きNO.1の人気であろうヘッポコーズです。
実は今までソードワ−ルドはおろかロードス島戦記クリスタニア、とアレクラスト大陸を舞台とするものは、ほとんど買ってきている私ですが、実は無茶無茶面白いと思ったものはほとんどないです。逆に激烈に嫌いっていうものもないので、ある意味手堅い商品展開を狙ってるのかなぁとも思っているんですがそうですんでしょうかね?
そんな中でこのリプレイ・シリーズはある意味手綱を緩めたんじゃないかなぁ、って感じがします。まあ、悪く言えば媚びてるってことなんですが。
とにかくパーティの中で目立つのは「ファリスの猛女」イリーナです。
プレイヤーの夢の一つ筋力25を達成し*1、おそらく今までのプレイヤーキャラクターの中で最大の攻撃力を誇る*2美少女。
外見的なものは、能力値に現われないので、言ったもの勝ち。そしてイラストレーターの力ですが、少なくとも売り出す側としては極めて現在のライトノベル的な記号を埋め込もうとしている意図が透けて見えますよ(笑)
そんなイリーナを始め薄幸の貧乏ハーフエルフ、マウナとかエルフ萌えのエキューとか、そこはかとなくソレっぽい記号を見出しつつ、実はグループSNEの伝統的なリプレイであると言う構図があったりします。
SNEのリプレイは英雄否定的な傾向があります。なんでそうかというと話は単純で、そのころのTRPGにはヒロイックな活躍をさせるルールが無かったからです。
紹介者であったSNEとしては妥当な選択だとも思います。
そんなわけでご町内の冒険者という概念は、SNEに限らず日本のTRPGをする人たちの間には発生していたわけですが、そう言う日曜冒険者みたいなものは、ライトノベル的な要素と極めて親和性が高いなぁ、とそういう風に結論付けられないかなぁとか、考えて見ました。
単純に秋田みやび氏がうまいから面白い、でもいいんですけどね。

*1:SWRPGでは初期作成時のキャラクターの筋力最大値は24。

*2:命中率は別な問題なので最強とは言えません。