思うところ

青色LED訴訟のニュースが割と目についたりしたわけなのだが、
会社側が200億の支払という判決に対し、
どーもヒステリックな反応をする経済の専門家が多いような気がしている。
と言っても記憶にあるのは二人ぐらいなのだが。
あまりまともにニュース番組を見ていないので、そういった人の存在確立は高いと思う。
ただし、目立つところだけが記憶に残るという反論も成り立つが。

概ね、専門家以外の人々にとって、この判決は好意的に受け止められている。
才能のある小さい者(個人)が、より大きな者に打ち克って成功するという構図は、受け入れやすい。
夢のある話だからである。
ただし、これはあくまで第3者としての話。

今回の訴訟に対しては、当然会社・経営者側の立場と社員・技術者側の立場の対立があるわけだが、
技術者側にとっては、当然夢のあるイイ話である。
ところが、経営者側にとってみるとキレ者の社員がスポーンと大発明をして会社は左団扇、という夢はだいぶ色あせて見えるハズだ。
(もちろん、これは極端な表現だけれども)
経済・経営の専門家は、経営者の立場に立つ側であり彼らの語る『夢』を卑小かさせる動きと捕らえネガティブな反応をしているのだろう。
彼らが一様に言う、今後の経済・経営に対する影響が心配だ、
という言葉はその発露に見える。
当然、嫉妬という感情も存在しているはずで、経営者のコメントで
記者に対して「文系はつまらんね」などという発言も目にしている。
ことによると、経営(≒文系) VS 技術(≒理系)という構図すらはらんでいる話でもあるのだろう。
また、200億という額の大きさは、それ自体嫉妬の元なのだけれど。

で、今回の判決に対して批判的な意見は、3方向から上げられる。

1つめは、技術的な意味で訴訟者個人が、利益を受けるのに適当な対象であるかどうか。
研究・開発における個人の占める割合の問題である。
今回の判決では、極めて個人による特許と明示されている。
ここで、裁判官の知識不足による間違った判決であるというなら
論争の余地はあるだろう。

2つめは、当然純粋に法律の解釈上の問題である。
会社に帰属する人間と会社、特許・著作の法解釈としてどうとるか、だ。
この面は、まさしく結論が出たわけだ。

3つめは、経済上の問題、なのだが
ここで、その筋の専門家達が、経営・経済の常識上ありえない、と言うのだ。
「この裁判官が、経済・経営のことをどれくらい知っているのかしりませんが……」などと発言する人間がいたりするわけだ。
そして、「今後の経営・経済」が心配だ、などとおっしゃるのである。
本来ならば、経済の面から否定するならば、特許の利益に対する比率を問題にし、販売、製造の面を強調すべきところである。
(おそらく、今回の判決に対しては、これは該当しないものと思うけれど)
 それすらせずに、「(彼らの)常識に反する」などといった言葉に、自分達の『常識』や『夢』を揺らがされたことに対するヒステリーが感じられて。

要するに酷くムカついた、という話ですわ。