そうか名作だったのか

朝の通勤途中にファファード&グレイマウザー1巻を読み終える。

実はファファード&グレイマウザーって、おもしろくないという印象を持っていた。
で、思い出したのだけれど、確か中学生の時に私はこの本を借りたのだが途中で投げ出してしまったのだな。
理由は、簡単で連作中篇の第一話のファファードの話が受け入れられなかったのである当時の私には。
そこに出てくる土着的な呪いが好きになれず、自分の子供のいる若い彼女を捨てて年上の女と逃げるファファードを理解できず、北方の蛮族社会自体がなんだかわからなかった。
当時の私はその後を流し読みしてそのまま、という体たらくだったのである。

今回読み直して、第一話。
やっぱり、ここでのファファードは好きになれなかった。

だが、ある意味精神的な幅が広がったらしい私は、第2話を読み終えた。
今度はグレイ・マウザーの話である。

爽快感がなかった。

作者のフリッツ・ライバーは女性のせいで何かヒドイ目にでもあったのかと思うぐらいヒロインであるところのイヴリアンが、役立たず。というか物事が悪化するのはほぼこの女のせいである。
しかも、諸悪の根源というわけではないところが、読んでいて気持ち悪い。
思えば一話のウラナも、結局のところ、後で災いの種になるので、作中の盗賊結社が女人禁制なのは正しいよなぁ、と思えてしまう。
同じヒロイック・ファンタジーエルリックなどでも、女性の存在が薄いと言われている。だが、あちらはそれでも、添えられた花ぐらいの扱いはある。
こちらは、まるで毒キノコだ。

と、ダメダメ感の中で3話目を読み終えた。
なんだ、おもしれぇじゃねえか、と。

考えてみれば、当たり前の話で、ファファードとグレイ・マウザーのコンビの話として50年間も書かれのである。
1、2話は、二人の個別のオリジンを語っただけであり、二人が出会った3話からの話が本編なのだ。
まあ、おもしろいのに気付いたのが、今でよかったのかもしれない。
当時はシリーズ4巻中2巻までで翻訳は中断していたのに対し、復刊された今回は最後の4巻まで刊行されるとのことなので、続きが読めないと苦しむこともない。
ハズだから。