『トロイア戦記』クイントゥス著
買ったのは、別に映画の『トロイ』の影響でもなんでもないです。
でも車田正美の影響だったり。
そもそも『リングにかけろ』を読まなきゃギリシャ神話に興味を持ったかどうかはわからんですよ。
そして『聖闘士星矢』に続いていくわけですが。
ただ「リンかけ」の当時は神話、つまりは神々のお話以外は興味が無かったんですが、「星矢」のころには英雄伝説の方もまた楽しからずや、な感じにシフトしたりしまして、昔は流し読みだった『ギリシャ・ローマ神話』のトロイア戦争のところを改めて読んでみたりしてね。
で、たまたま見つけたこの本ですが、ホメロスの叙事詩、『イリアス』『オデュッセイア』の間を埋める叙事詩ということで、アキレウスの死後からトロイア陥落までを、散り散りばらばらに語られる伝説などをまとめた叙事詩の和訳です。
トマス・ブルフィンチの『ギリシャ・ローマ神話』は確かにギリシャ神話を総括する名著なのですが、それだけにやはり色々と割愛されている部分もあるということを認識しました。
「神にもひとしき」誰それや、「気高き」何とかや、「勇ましき」〜の息子とかが、もうサクリサクリと死んでいきます。
そりゃあもう情け容赦なく。
英雄アキレウスや剛力無双アイアースなんかはともかく知将のイメージが強いオデュッセウスまで斬って刺して(頭を)砕きます。ギリシャ、トロイともおびただしい数の武将が名前だけ出ては死にます。微妙にエグい描写つきです。
それが浅慮短謀で我侭放題の神々のせいであるという。(英雄たちもかなりの我侭バカなんですけどね)
イチオシのキャラクターは、アマゾンの女王ペンテレイシアと彼女が率いる12人の女将軍でした。でもこれがザクザク死んじゃいますけど。まるでVガンダムのシュラク隊のように。