赤い赤ーい

ボトムズ漫画『CRIMSON EYE』ですが。
未だに違和感がぬぐえません。

理由のひとつは、間違いなく幼女がATに乗って戦う。しかも強い。
ってところです。
これは基本情報としてボトムズに対して持っている刷込情報との差異によって、自分の中で混乱しているせいでしょう。

理由のひとつとして挙げたわけですが、シリーズやらシェアワールドな展開やらの中で、その作品を受け付けなく理由は、その辺にしかありえませんね。よく考えたら。

ボトムズ関連の作品に受け取り手の要求する共通情報としては、まずATが出ることです。元がロボットアニメなのだから、あたりまえですね。

そこから、さらに2つの条件が導き出されます。
・アストラギウス銀河が舞台であること
ギルガメス・バララントの星間戦争の影響下にあること

これで場所と時代がきまります。
なぜなら、ATが存在しうるのがそこしかないからです。
異能者が主人公で、中世レベルの文明の星でのファンタジーボトムズ、とかでは、かなりの違和感を感じることになるでしょう。

『CRIMSON EYE』は、当然そんなところはクリアしています。というかクリアしてない関連作品なんてのは無いですよね、たぶん。
まあ、ミリタリーものとしての側面が重要ということを考えにいれると文明レベルが極度に上とかでも困ります。クローン再生とか、ESP能力とかが一般化した世界では、戦争に対する意識が変わってしまって通常のミリタリーの文法を逸脱してしまう恐れがあるからです。

作品内の物理的な側面よりも精神的な面の方がより重要なのではないでしょうか。そう考えると、結局ミリタリーな作品の持つ雰囲気だというのが重要である、ということになるでしょう。
とは言え、戦争を扱っても好戦的な戦意高揚な感じなものから、戦争の悲哀から来る叙情的なものまで色々あるわけです。
原作であるところのボトムズは、極めて一般的な戦争モノの雰囲気を持っています。
一番の重要なものは全体に流れる倦怠感でしょう。
戦後や戦争末期を舞台にしているからこそなのでしょうが、戦後というのは復興期という側面もあるものの、ボトムズではその面は殆ど見られません。あくまで停戦中というのが最大の要因でしょうし、子供が画面に出て来ることがないというのもそれを強調しています。

というわけで、主人公のレッカの年齢が低いのは違和感なのですよ。
たぶん女が主人公であることに対しての違和感よりもずっと。
これは、実は登場人物全体に対して言えることで、味方のランパートも、敵役のキレた変態たちも、みんな前向きなんですよ。
ただし変態キャラのベクトルはそれぞれにとっての前向きで、あさっての方向ですが。
そこがボトムズとしては異端に見えるんじゃないでしょうか?

まあ、個人的な感想かつ、たかだか2話までしか進んでないわけですけど。